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ノッキングとは?異音がする?自動車ノッキングの概要から対処までを紹介

2023年05月25日

皆さんは、自動車のノッキングについて知っていますか?
あまり聞きなれない言葉ですが、自動車を乗る上で知っていて損のない知識の1つがノッキングです。
また、いざノッキングが発生した時にも知識があるとパニックにならずに済みます。
そこで、今回は自動車のノッキングの概要から対処までをまとめて紹介していきます。

ノッキングとは?異音がする?自動車ノッキングの概要から対処までを紹介

自動車のノッキングって何?何が起きるの?

自動車のノッキングとはどのような現象なのでしょうか?
またその時、自動車にはどんなタイミングで何が起こるのでしょうか?
ここでは、ノッキングの定義から具体的な現象を紹介し、自動車にどのような症状が出るのかを確認していきます。

ノッキングとは?

JIS B0108-1によれば、ノッキングは「末端ガスの一部が自己点火することによって生じる異常燃焼」と定義されています。
では、ノッキングはどういった現象で何が問題なのでしょうか?
これを紐解くには、エンジンがどのように動作しているかを知る必要があります。
エンジンはガソリンなどの燃料の爆発(燃焼)を利用して軸を回す機械で、以下のフローで動作しています。

①燃料を噴射する
②点火プラグなどを用いて燃料を着火させる
③爆発(燃焼)が起こる
④ピストンが爆発の力を受けて上下に動く
⑤ピストンの動力を受けてクランク軸(車輪に繋がる軸)が回る

このように少し難しく感じるかもしれませんが、「エンジンはガソリンに火を付けるとピストンが動いて車輪を回す機械」だとイメージすれば十分です。
ここで注目すべきポイントは、ピストンが爆発(燃焼)の力を上から受けて上下に動いているという点です。

例えば、ピストンの上昇中に爆発が発生すると、ピストンは最上部に到達する前に爆発の力を受けてしまい、上手くクランク軸を回すことが出来ません。
そのため、燃料の噴射&着火はピストンが最上部まで到達し下がり始めたタイミングで爆発を起こすように調整されています。

このようにエンジンが動作するためには、適切なタイミングで燃料の噴射&着火をする必要があることがわかりました。
では、自己点火によって燃料が予期せぬタイミングで爆発(燃焼)を起こした場合はどうなるのでしょうか?
先ほどの例のように、クランク軸が上手く回転できない可能性がありますね。
このように、ノッキングが起こると自動車の運転そのものに影響が出ることがわかります。

ノッキングが起こるとどんな症状?異音がする?

では、ノッキングが起きると自動車はどのような症状が出るのでしょうか?
一般的に自動車のノッキングは、「カーノック」と「エンジンノック」と呼ばれる症状が代表的です。
では、1つずつ見ていきましょう。

①カーノック
カーノックは、自動車がガタガタ振動する症状を指しています。
この現象は低速度での運転中に起こりやすく、マニュアル車におけるギアチェンジの誤操作でも起こりうる現象です。
しかし、ギアチェンジをしていない場面やオートマ車でカーノックが発生した場合は他の原因を疑う必要があります。

②エンジンノック
エンジンノックでは、カンカンカンというような金属音がしたり、自動車が振動したりする特徴があります。
この現象は、前項で述べた異常燃焼による衝撃波から生じる症状です。
ちなみに、燃焼が広範囲に広がって次々と爆発を起こす現象をデトネーションと呼んだり、燃料に点火するタイミングが早すぎて何度も爆発を起こしてしまう症状をプレイグニッションと呼んだりするので頭の片隅に置いておきましょう。

ノッキングの原因は?発生したらどうしたらいい?

では、ノッキングはなぜ起こるのでしょうか?
また、ノッキングが発生してしまったらどのように対処すればいいのでしょうか?
ここでは、ノッキングが起こる原因の代表例を挙げつつその対処法を紹介します。

ノッキングの原因は?

ノッキングの代表的な原因は、「点火プラグの故障」と「ピストンのカーボン堆積」です。
では、1つずつ見ていきましょう。

①点火プラグの故障
ガソリンエンジンには、燃料を着火するために用いる点火プラグが搭載されています。
(ディーゼルエンジンでは、圧縮空気による自然着火を利用しているので点火プラグはありません)
点火プラグは、運転時に高温高圧の環境下に置かれるため消耗しやすい部品の1つです。
そして点火プラグが消耗すると、適切なタイミングで着火することが出来ずノッキングが発生してしまいます。

②ピストンのカーボン堆積
ピストンにカーボン(燃えカス)が多く残っていると、カーボンが火種になり燃焼を発生させるケースがあります。
カーボンは燃焼効率が悪い状態で運転を続けると堆積しやすい傾向にあり、特に低速度の運転を長く続けるとカーボンが多く溜まります。

ノッキングが起こったらどうしたらいい?

では、ノッキングが発生したらどうすればいいのでしょうか。
「エンジンノック」の場合は、エンジン内部に原因があるため外から確認することは困難です。

しかし、「ピストンのカーボン堆積」は高速道路での運転のようなエンジンにとって効率のよい運転をするとカーボンの堆積が燃焼により除去される場合があります。
しかし、ノッキングが発生した場合はなるべく早くディーラー等に相談することをおすすめします。

ノッキングとは?異音がする?自動車ノッキングの概要から対処までを紹介 まとめ

今回は、自動車のノッキングの概要から対処までを紹介しました。
突然、運転中に金属音がしたり、振動したりすると恐怖を感じますね。
そこで今回の内容を頭の片隅に置いておき、トラブル時の心構えをしておきましょう。